3メガ銀、人員・拠点を増強 アジア決済 収益源に

 大手銀行がアジアで業務の拡大を急いでいる。貸し出しに続く軸として企業の資金管理や貿易を支援する決済分野のサービスを増強する。三菱東京UFJ銀行はアジアの業務粗利益を3年後に5割伸ばす計画だ。三井住友銀行はインドなどに貿易金融の対応拠点を新設する。現地企業との取引を開拓してアジアの内需を取り込むとともに、収益源の多様化を狙う。
 邦銀は2008年秋の金融危機の後、資産を圧縮する欧米銀行に代わる形でアジアでの貸し出しを拡大。欧米銀が先行してきた決済分野にも攻勢が及んできた。
 三菱東京UFJは上海や香港、シンガポールを中心に決済部門の人員を今後3年間で約3割増やし200人体制とする。輸出入の決済手続きの電子化に取り組み、アジア全体の人員は3年間で3割増の約8500人、業務粗利益は5割増の3千億円弱まで上げる粗利益全体に占める海外収益の割合を今の3割弱から4割に高める計画だ。
 三井住友は13年度末までに、輸出入に必要な資金を融資する貿易金融の担当者をニューデリーなど8拠点に新たに置く。増設後は世界30拠点で貿易金融を手がけ、約半分がアジアとなる。昨年度に約3億ドル(240億円)だった貿易金融関連の収益は13年度に1.5倍に増える見通しだ。
 みずほフィナンシヤルグループは「従来の倍のスピードで決済分野を拡大するために、人員や資金の役人を増やす」 (佐藤康博社長)。人民元の為替業務をアジアをはにめとして世界の大半の拠点で扱う。全体の収益に占める決済分野の割合を5年以内に約10%から20%超で増やす。
 決済は手数料収入が軸で「資産をあまり使わずに業務を拡大できる採算のよいビジネス」 (三井住友銀の国都毅頭取)と位置づける。貸し出しや市場業務を含めた「三位一体」 (三菱東京UFJの平野信行頭取)で取引を広げる戦略だ。
 欧米大手は決済分野で邦銀を上回る投資を続け、豊富な拠占網を保つ。中長期で堅調な成長が見込めるアジアを舞台に、内外の金融機関の競争が激しくなる見通しだ。

2012.11.03