東芝、海外技術者2割増 14年度5000人体制 クラウドに重点

 電機や精密各社が海外で研究開発体制を強化する。東芝は2014年度までに日本が出遅れているクラウドコンピューティングなどIT(情報技術)分野を中心に技術者を2割増やす。富士ゼロックスは13年度までに需要拡大が見込める中国で現地技術者を2・3倍にする。先端技術を持つ人材の登用や海外で働く人員の比率を上げ、競争力のある製品開発のスピードを上げる。
 東芝は海外の研究開発人員を14年度までに新たに750人増やして5000人規模にする。これまではデジタル家電や白物家電などの商品開発を除いて4180人(連結ベース)だった。 増員分のうち300人をソフトやサービスをインターネット上で提供するクラウド分野に振り分ける。
日本は同分野で出遅れていた。先端技術を強化するため優秀な海外人材を積極的に採用して追い上げる。成長が期待できる環境・エネルギー分野についても欧米や中国、東南アジアから人材を集める。東芝は11年度に55%だった海外売上高比率を14年度までに65%に高める方針を打ち出しており、海外の開発基盤の強化で計画達成を目指す。
 日立製作所は本体の研究開発部門に約3000人を抱えている。現在は約230人にとどまる海外人員を12年度中にも約300人に増やす方針。
 昨年10月にインドに開いた研究開発拠点の人員を15年度までに今の5倍にあたる50人に拡充する。欧州の鉄道関連事業や中国のカーナビゲーションシステム関連事業の研究者も増やす見通し。
 成長市場の需要を取り込むため、現地向け製品の開発を強化する動きも広がっている。
 富士ゼロックスは中国で複合機の現地技術者を積極的に採用。上海市にある主力工場の技術者を30人から70人に増やす。新製品を3機種並行して現地開発できる体制を整える。クラリオンも12年度中に中国・アモイにあるカーナビ用のソフトウエア開発拠点の人員を300人から500人強に増やす計画だ。
 リコーは新興国であげた実績をもとに先進国での展開も目指す。インドでITの研究開発拠点を2月に開設。インターネットを利用した遠隔教育やスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を使う営業支援システムの開発を手掛けている。インドの国内市場だけでなく、先進国でも成果を利用していく方針だ。

2012.07.17