世界の自動車大手12社 11年度 収益の二極化が鮮明

世界の自動車メーカーの収益が二極化している。主要12社の2011年度業績を調べたところ、米国、ドイツ、韓国の大手が利益を伸ばして上位を占めた。トヨタ自動車など日本勢は円高や東日本大震災後の部品調達難が原因で収益が低迷。欧州依存度が高いフランス大手は債務危機の影響で苦戦する。部品調達が正常化した日本勢は今後、どこまで巻き返せるかが焦点だ。
  3月7日までにほぼ出そろった海外勢の11年12月期実績と日本勢の12年3月期見通しをまとめた。上位6社と下位各社の利益格差が鮮明に表れた。
  純利益で日本勢は日産自動車の7位が最高。震災やタイ洪水の影響が小さく、世界販売は前年度比14%多い475万台に増えそう。ただし円高による減益要因は1500億円を超え、純利益は前年度実績を下回る見込み。震災やタイ洪水の影響が大きかったトヨタとホンダは利益の落ち込みが大きい。
 上位2社は米フォード・モーターと独フォルタスワーゲン(VW)。いずれも会計上の一過性の増益要因が膨らみ、純利益は1兆5000億円に達した。特にVWは本業のもうけを示す営業利益も58%増の112億ユーロと1兆円の大台に乗せており、好調ぶりが目立つ。
 販売台数で4年ぶりに世界一に返り咲いた米ゼネラル・モーターズ(GM)は3位。地盤の北米と中国の新車販売の伸びを支えに、14年ぶりに最高益を更新した。販売台数が少ない独ダイムラーとBMWがGMと肩を並べる利益を上げており、高級車ブランドの収益力の高さを示した。
 純利益の上位には、世界二大市場の中国と米国で伸びた企業が目立つ。中国ではシェア2位のVWが販売を17%増やし首位GMを急迫,米では韓国・現代自動車が27%増と躍進し、震災影響などで台数を減らしたホンダに肉薄した。
 グローバル展開で出遅れた仏勢の業績は厳しい。プジョーシトロエングループ(PSA)のフィリップ・バラン会長は「11年上期後半からの事業環境の悪化が自動車事業の残念な結果を生んだ」と振り返る。このほど合意したGMとの資本携をテコにコスト削減加速し、生き残りを目す。
 日本勢にとって12年度(13年3月期)は反転攻の年となりそう。トヨタは12年暦年のグループの世界販売を前年比21%増の958万台に増やすと表明した。ホンダも12年度に400万台超と販売の最多記録の更新と業績のV字回復を目指す。
 米では日本勢の巻き返しが鮮明だ。このところのガソリン価格の上昇で消費者の低燃費車志向が強まり、トヨタは2月にハイブリッド車(HV)の販売台数を前年同月比63%伸ばした。年後半にはホンダの「アコード」や日産自の「アルティマ」など日本勢の主力車種が新型に切り替わる。
 アナリスト予想の平均値(QUICKコンセンサス)をみると、12年度の予想純利益はトヨタ7454億円、ホンダ4883億円、日産3976億円。次世代エコカー開発や新興国展開などの戦略投資には安定的な利益確保が欠かせないだけに、日本勢の地力が問われる。

2012.03.10