自動車部品 、苦戦の日本勢 主要7社、増収増益1社のみ 11年度

 世界の自動車部品業界で、日本勢が苦戦している。2011年度は東日本大震災やタイ洪水の影響で生産・供給体制が混乱、生産効率が悪化した。
 一方で海外勢は新興国や北米市場の回復を順調に取り込み収益を伸ばす。もっとも今後は日本勢も震災などの影響が一巡。海外拠点の拡充と、非日系完成車メーカーからの受注拡大が業績回復のカギを握りそうだ。
 主要企業の11年度業績を調べたところ、海外勢は増収増益が目立った。国内勢主要7社で増収増益は天災の影響が少なかった日産自動車系のカルソニックカンセイのみにとどまりそう。デンソーやアイシン精機、NOKなどは大幅な減益になる見通し。いずれも震災やタイ洪水後の生産混乱が響く。
 海外勢の好調は、中国など新興国の需要拡大を取り込んだのが大きい。自動車シートなどを手がけるフォレシアは中国で売り上げを12%伸ばした。ステアリングなどを手がけるTRWも中国などの新興国で売り上げを16%伸ばした。
 米国も08年の金融危機後に落ち込んだ新車販売市場が11年は危機前の8割程度の規模に回復。TRWも北米での売り上げが17%増えた。
 日本勢はこうした世界需要の拡大を震災などの影響でうまく取り込めなかった。もっとも海外勢との収益力の差は天災のせいばかりではない。米国のTRWやリアはフォードなど米国勢だけでなく独BMWや韓国の現代自動車にも供給。日系メーカーヘの供給に偏る日本勢より世界需要の拡大を取り込みやすい。
 また日本勢は利幅の厚い補修用部品が手薄だ。現代自動車向けモジュール部品を手がける現代モービスは、利幅の大きい修理・補修用部品が収益をけん引。モービスの売上高営業利益率は2桁で、日本勢を上回る。軸受けを手がけるSKFも売上高で同規模の日本精工より利益率が高い。
 ただ、先行きは海外勢との差が縮小しそうだ。調査会社の予測では欧州債務問題を背景に12年度は西欧地域の販売台数が減少するとの見方が多い。マグナ・インターナショナルやビステオンなど海外勢の中には12年度に減収の可能性を想定しているところもある。 
 逆に国内勢の12年度は天災の影響が一巡し、収益は急回復することが「ほぼ確実」 (NOK幹部)だ。回復後の成長持続を狙い、ニッパツは中国やインドでの新工場計画を進めている。ホンダ系のケーヒンは独ダイムラーから初めて受注した部品の供給が数年内に本
格化する見通し。海外メーカーからの受注拡大に動いている。

2012.03.29