製造業「高度化で競争力」GE会長 データ分析軸に 日経フォーラム「世界経営者会議」

 第14回日経フォーフム「世界経営者会議」 (主催=日本経済新聞社、スイスのビジネススクールーMD、米(Iバードービジネスースクール)は22日午前、「競争力の源泉」をテーマに議論した。米ゼネラルーエレクトリック(GE)のジェフリー・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は、「インターネットを活用した製造業の高度化が競争力向上につながる」と述べた。
 イメルト会長は「製造業の本質が変わっている。モノ作りと情報分析の融合が進んでいる」と指摘した。航空機エンジンや医療機器などの稼働状況を分析する「インダストリアル(産業)・インターネット」が顧客へのサービスカを高めるとし、「いくつかの分野では米IBMがライバル」と語った。
  「(製造業が)人件費の安い場所を探す時代は終わった」とし、素材や生産プロセスの革新で「造りたいモノを造りたい時に造る、高度な製造業」が求められるとした。
 米国で割安なシェールガスの生産が急増していることを念頭に「ガスの時代が来ている」と明言。イメルト会長は発電や輸送に用途が広がり、新たな商機をつくっているとの認識を示した。
 日本経済を巡っては。「安倍晋三首相が進めるアペノミクスの3本の矢が有望な光を与えている」と評価。「東京五輪が第4の矢となっている」と述べた。安倍首相に対して「複雑な課題に対してやりやすいところから取り組んだことは分かりやすかった」と語った。
 東京電力福島第1原子力発電所の事故については、「東京電力や関連企業、地元住民にあらゆるサポートをしたい」と述べた。「2050年に原子力がエネルギーとしてなくなることはない」とし、日立製作所と取り組む原子力ビジネスを継続していく考えも示した。
 富士フイルムホールディングスの古森重隆会長兼CEOは、中核事業を失った中での企業再生の経験について講演。「短期的な利益を犠牲にしても、長期的視点で経営資源を振り向けることが重要だ」と訴えた。写真フィルム事業が急速に低迷するなか、医薬品などの新事業剔出のため[年間2000億円程度の研究開発費を拠出し続けた]ことを紹介した。
 危機に直面した際の経営者のリーダーシップについて、「経営は多数決ではない。経営者は自分で考え、真っ先に飛び出すことが求められる」と語った。その上で、「自ら変化をつくり出せる企業がベストだ」とした。
 スイスのプライベートバンク、ロンバー・オディエ銀行マネージング・パートナーのクリストフ・ペンチ氏は、各国のメガバンクと競争するうえで 「顧客の情報を守ると考え方、セキュリテイーが重要」との認識を示した。(日経新聞2013.10.22)

2013.10.23