株式・社債 企業の資金調達急減

8月、世界で38%減 市場混乱映す

欧米の債務問題や世界的な景気先行き不安を受けた資本市場の混乱で、世界の企業の資金調達が急減している。株式と社債による8月の資金調達額は822億ドル(約6兆3千億円)と前年同月比38%減り、3年ぶりの低水準にとどまった。資金調達は設備投資やM&Aのカギを握るだけに、混乱が長引けば企業活動の制約となり、景気の下押し圧力になりかねない。
英米系調査会社のディールロジックが普通社債と株式発行(新規株式公開などを含む)による調達額を集計した。8月の調達額は2008年8月以来の低水準。投資家がリスク回避姿勢を強めており、一部の金融機関や企業では調達コストが上昇している。
8月は延期または中止に追い込まれた株式発行案件が世界で52件と、7月(38件)から大幅に増えた。特に目立つのが金融や不動産など業績が景気に左右されやすい企業だ。ポーランドの大手銀PKOバンク・ポルスキーが8月下旬に増資を見合わせたほか、米国やマレーシアの不動産投資信託(REIT)が予定していた新規株式公開を祖次いで延期。米国ではエネルギー関連企業の新規株式公開が中止となった。
地域別で落ち込みが大きいのは欧州。調達額は前年同月比79%減の約39億ドルと1998年8月以来13年ぶりの低水準となった。債務問題が金融機関に飛び火し、銀行の株価や社債価格が急落。事業会社の一部でも資金調達に支障が出ている。
日本も株価下落で増資などが減り、8月は29%減少。北米は33%減、高成長が続くアジア(日本を除く)も32%減った。
世界の株式市場は9月に入り再び弱含んでおり、資金調達の回復は時間がかかる懸念もある。