アジア域内の投資動向 日本発M&Aに躍動感

円高を追い風に日本企業の海外進出が加速している。アジア地域で、企業の投資マネーはどう動くか。
3.11で変化
事業の領域や収益の源を求めて、視野を広げ始めた。円高も企業の海外進出を後押ししている。特にアジアへの直接投資が伸び、日本企業による戦略的なM&Aが急速に増えている。
日本企業の財務体質は良い。低金利で資金調達コストも安い。円も相対的に高い。国内に偏っていた収益構造を改め、事業を海外で多様化できるが、いまこそ戦略が問われる局面だ。そうした共通認識が、経営者の間で広がりつつある。
アジアの成長率は必ず他の地域を上回るだろう。企業にとり収益構造を多様化するまたとない機会がアジアにはある。事実、インドや東南アジア各国への直接投資で、日本企業の勢いは、このところ欧米を上回っている。
逆方向の、海外から日本への投資の流れは?
投資が流れ込みやすい国内の仕組みを考えるべき。対外投資と対内投資のバランスをとり、重層的で多様な産業の構造を築いた国が、強い経済力を獲得する。海外から日本への投資で焦点になるのは、国内の中小企業の分野だろう。多くの非効率が潜んでいるからだ。
国内再編に期待
国内で企業再編が進むことを期待する。企業内で温存されてきた様々な非効率な事業や資産が統廃合されれば、日本経済に躍動感が出てくるはずだ。そこに機会を見出して、海外からの投資が入ってくる。日本には多くの価値ある資産が埋もれている。環境さえ整えば、対内投資は飛躍的に伸びるはずだ。
3.11以降、部品供給は驚異的な速さで回復し、生産は震災前の約9割まで戻った。日本企業と日本人は、想像よりはるかに柔軟で、起業家精神に富み、創造的だ。その実像が震災で浮かび上がり、世界の投資家が注目しているのだ。