5大銀、最終益56%増 4~6月8900億円 株高追い風。証券20社の損益が改善4~6月

国債保有2割減 融資は伸び悩み
   大手銀行の2013年4~6月期決算
 ( 単位億円,カッコ内は前年同期比増減率%,▲は減少,実質業務純益は原則,傘下銀行合算)
      実質業務純益       連結最終利益
             13年4~6月期 14年3月期予想
三菱UFJ    2, 551     2, 552     7,600
  (▲23)     (39)     (▲10)
みずほ     1,748      2,479     5,000
       (▲27)     (34)     (▲10)
三井住友    2,424      2, 883     5,800
       (13)     (144)     (▲27)
りそな      622       621      1,450
         (2)     (43)    (▲47)
三井住友卜        551           390          1,300
ラスト         (1)          (▲8)      (▲2)
5大銀行グ        7,896          8,928         21.150
ループ合計      (▲12)        (56)        (▲19)

 三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2013年4~6月期の連結決算が31日出そろった。最終利益は約8900億円と前年同期比56%増えた。株価の回復で保有株式の減損処理が急減した。日銀が金融緩和で国債を大量に買い上げた影響で、国債保有額は3月末に比べて約2割減ったが、貸し出しへのシフトは限定的だ。
 本業のもうけを示す実質業務純益は12%減だった。国偵価格の上昇(長期金利の低下)に歯止めがかかり、これまで収益を押し上げてきた国債売買益が75%減ったことが響いた。増益の大きな要因は株価の回復だ。株式の減損処理額は260億円程度と9割減った。
 最終利益は4~6月期だけで14年3月期の年間予想(2.1兆円)の4割を確保した。ただみずほフィナンシャル・グループが法人税の納付再開に伴う会計上の利益約400億円を計上するなど。一時的なかさ上げ要因も寄与している。今後の収益は株価の動向次第で大きく変動する。
 日銀は4月の新しい金融緩和で、金融機関が国債から貸し出しへと資産を組み替える[ポートフォリオーリバランス]を狙ったが、今回の決算からははっきりとした効果は読み取れない。
 6月末の5大銀の国債保有残高は約87兆円と3月末から約23兆円減った。これに対し、貸出残高は273兆円と前年同期比でみると7%伸びたが、3月末との比較では横ばいにとどまった。
 三井住友銀行は日銀が大規模緩和を始める前から国債売却に動き、保有国債は3ヵ月で半減しに。一方、6月末の貸出残高は微増にとどまる。小売店舗の改装や物流施設建設などを計画する企業は多いが、「実際に資金需要が出てくるにはもつ少し時間がかかる」(国
都毅頭取)。
 国債売却で得た資金は日銀に預ける当座預金に滞留しているもようだ。三菱UFJでは資産のうち当座預金を含む[現金預け金]が3月末に比べて7兆円増えた。  一
 三菱UFJは6月に成長戦略に絡む資金需要を掘り起こすための専門チームを立ち上げるなど融資増を急ぐ。
 みずほは新たな事業分野での投資を増やす中堅・中小企業を対象に、通常よりも年O.1%低い金利で融資する取り組みを始めた。
  一方、日本郵政グループのゆうちょ銀行が31日発表した4~6月期の単体決算は最終利益が前年同期比29%増の1152億円となった。国債の利回り低卜で資金利益は7%減少した。信託銀行を通じて運用していた株弍を売却するなどして約700億円を計上し、利益を押し上げた。
 6月末時点の国債保有残高は137兆9430億円と3月末と比べてほぼ横ばい。民間銀行のような企業向けの直接融資や住宅ローンなどは扱っておらず、集めた貯金の大半を基本的に満期保有の国債で運用している。国債の利回り低下を補うため、米国債や海外の公社債などへの投資を3月末から約2兆3000億円増やして約18兆円とした。

証券20社の損益が改善4~6月
主要証券20社の2013年4~6月期決算が31日、出そろった。安倍政権の経済政策「アベノミクス」を背景に個人などの投資意欲が高まり、株式や投資信託などの販売手数料が膨らんだ。全社の最終損益が前年同期と比べて改善した。
 マネックスグループが31日発表した13年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は株式売買に伴う手数料が伸び、純利益は51億円に拡大した。みずほ証券の連結純利益も3.2倍(みずほインベスターズ証券との合併前と比較)に膨らんだ。
 大手証券では、野村ホールディングスの個人向け営業部門や大和証券グループ本社、三菱UFJ証券ホールディングスの純利益が過去最高を更新した。

 主要証券20社の2013年4~6月期決算
(単位億円,カッコ内は前年同期比増減%。連結ベース。)
      純営業収益     最終損益 
野 村    4,313(17)    658 ( 34.8倍)
大 和     1,552(78)        572 ( 21.4倍)
三菱UFJ    1,261 (97)        395 (4倍)
SMBC日興        1,032(87)    1267(6.7倍)
みずほ      844 (59)  173(3.2倍)
岡 三     321(2.4倍)   83(黒字転換)
東海東京     300(2.3倍)   94 (10.3倍)
SBI            199(2.3倍)    60(4.4倍)
SMBCフレンド    194(57)       54(3.1倍)
マネックス      168(2.1倍)  51(30.1倍)
楽 天        132(2.9倍)   42(4.6倍)
松 井      128(3.4倍)  58(6倍)
岩井コスモ      77(2.4倍)    28 (黒字転換)
いちよし      76(2.4倍)   41(黒字転換)
丸 三         74(2倍)     32 (15.3倍)
カブコム       64(2.8倍)    21(5.4倍)
GMOクリック  53(35)       8(12)
藍 沢         51(2.3倍)     61( 29.9倍)
東 洋         51(77)      16(黒字転換)
水 戸         50 ( 96)       23 (黒字転換)
(日経新聞2013.0730)

2013.08.04