新薬 外部と研究強化

製薬大手が新薬の研究効率化するため、ベンチャー企業と連携に乗り出す。武田薬品工業は主力研究所の施設の一部を外部の研究者に開放する。アステラス製薬は医薬品になる可能性がある化合物(新薬候補)を研究者に提供し、どんな病気の治療に使えるかを考えてもらう制度を導入した
 研究者が作り出した化合物が医薬品として発売できる確率は2万分の1とされる。国は安全性や有効性を以前よりも厳しく判断し、成功確率はさらに低下傾向にある。各社は外部の知識や資金の活用が必要と判断した。
 武田は11月に本格稼働する湘南研究所(神奈川県藤沢市)に、外部の研究者が利用できる各種の研究設備を設ける。
 大学の研究者やベンチヤー企業は新薬候補の化合物を生み出す理論を構築しても、十分な設備がないために化学合成などができない場合がある。
武田は設備の提供で研究を支援し、成功すれば成果を共有する。
 化合物が医薬品になる可能性が高いと判断した場合は、武田が最初に臨床試験(治験)に入るなどの権利を持つ。国内外の複数の研究者やベンチヤー企業と交渉を進めており、近く合意できる見通し。外部の研究者と交流することで、社内に新・たなアイデアが生まれる効果も期待している。 ・
 アステラスは自社が保有する化合物のうち3種類を外部の研究者に提供し、どんな疾患の治療薬になり得るか、調べてもらう制度を始めた。外部の研究成果を取り込んで自社の化合物の有効利用を目指す。
 エーザイは治験の後期段階にある新薬候補を対象に、外部の企業に開発費用を拠出してもらう仕組みを導入した。エーザイが製品化に成功した場合、開発にかかった費用より多くの資金を報酬として支払う。第1弾とし甲状腺がん治療薬の開発で、米国系の製薬会社と契約を結んだ。エーザイは自前の資金を投じる新薬候補を絞り込み、治験を効率よく進める。同社と契約する企業は開発に失敗すれば費用が無駄になるが、成功すれば多額の資金を得られる。






2011.10.25