第一三共、ワクチンで提携

第一三共はワクチン事業で英製薬大手グラクソスミスクライン(GSK)と提携する。7月をめどに日本にワクチンを開発・販売する合弁会社を設立し、帯状庖疹(ほうしん)予防など日本初の製品を発売していく。欧米に比べ日本はワクチンの種類が少ない。ワクチン世界最大手のGSKの製品が手に入りやすくなることで、日本でも予防医療が定着するきっかけになりそうだ。
 第一三共は1月29目に開いた取締役会で、合弁会社設立の方針を決めた。週内にもGSKと正式に合意し、発表する。合弁会社は 第一三共とGSKの日本法人が折半出資で設立する方針。ワクチンの開発・営業部門の社員が両社から出向する。
 合弁会社はまず、GSKの子宮類(けい)がん予防ワクチン「サーバリックス」や第一三共のインフルエンザワクチンなど、両社の主力製品の販売を始める。
 日本初となる帯状庖疹ワクチンや複数の病気を予防する混合ワクチンなどの開発を進め、早期の発売を目指す。GSKは肺がんや皮膚がんの一種メラノーマなど、がんを治療するワクチンも欧米で開発している。予防でなく治療を目的とした新製品を日本で開発・販売することも検討する。
 日本でのワクチン売上高はGSKが約600億円(2011年12月期)とみられ、第一三共(11年3月期)は178億円。両社合わせると、武田薬品工業(199億円)やアステラス製薬(187億円)を大きく上回る。
 10年の日本のワクチン市場は業界推定で約1400億円。世界市場(約2兆2400億円)の約6%に留まる。欧米ではワクチンの有効性が広く認識され、種類も多い。日本では摂取の努力義務があるワクチンが少ないこともあり、製薬大手が開発に力を入れてこなかった。ただ、ワクチンによる病気の予防は発症後に薬で治療するよりも費用が安く済む。医療費を抑制したい日本政府もワクチンの普及を後押しする方針に転換。10年11月から子宮頚がんなどの予防接種に対し、助成を始めた。

2012.03.02