最近の企業動向

外資系・日系主要業種の最近の企業動向は?

不足するグローバル人材 日本企業、若手育成に課題 

早稲田大学政治経済学術院 白木三秀教授
 官民挙げてのグローバル人材育成の動きが活発になるなか、育成方法などを模索している企業も少なくない。育成熟が高まってきた背景や人材育成のおり方などについて、この分野に詳しい早稲田大学政治経済学術院の白木三秀教授に聞いた。
 一般的にはグローバル人材とは「グローバル化か進展している世界の中で、多様な人々と共に仕事をし、活躍できる人材」といわれている。
 円高の進行などにより、2000年代から中国を中心に日本企業による海外の直接投資が増えてきた。最近ではベトナムやインド、ブラジルやミャンマーにまで投資先が広がっている。
各企業が市場成長の見込める国で利益を稼ぎ出そうとするのは当然の動きといえる。
 日本企業が今まで以上に海外で事業展開する際、ビジネスを任せられる人材がどれだけいるのかというと、実はそれほど多くないことが分かってきた。海外の各現地で仕事ができる人材となると、なおさらいないのが実情だ。
 そのため、企業は5年ほど前から意図的に留学生を採用するようになった。日本人の海外留学生を含め、グローバルなマインドを持った人材がほしいという傾向かはっきり出てきている。しかし、そうした人材が日本にいるかというと、まだ少ない。
 育成で各企業の真価が問われるのは10年後ぐらいになると思う。若手に仕事のチャンスを与えて育成できるかどうかが問われている。
 若手がマネジメントポジションに就く段階になったときにやりがいのあるポジションを準備できないようだ、と、人材育成は尻すぼみになる可能性がある。
 これからはグローバル化の流れをみながら、世界各地に適材適所で人材を配置して活用していけるかどうかがより重要になる。裏返していえば、日本人でもそうした流れに対応できない人は振り落とされることになるかもしれない。
 日本から海外に留学する学生は減っているといわれるが、質的な面を見落としてはならない。米国の一部の有力大学では日本からの受験者が減っているのではなく、そもそも試験に合格する人が減っているとの指摘も出ているからだ。
 若者には世界の中で日本や自分を位置づけることを心がけてほしい。世界や日本の経済動向をみることも重要だが、自分自身が世界の中でどのレベルにあり、どの部分の力が足りないのか、どの部分が強いのか。つまり自分自身を客観化することが肝要で、そういうプロセスを経ないと問題意識はわいてこない。このままでは「井の中の蛙」や「ゆで蛙」になってしまう。
 世界の各国に比べて、日本は豊かで安定しており、何とか食べていける社会だ。こうした社会で問題意識を持たせるには外からシステマティックに気づきを知らせるチャンスをつくるべきだと思う。例えば大学であれば、海外留学するチャン‥スを広げるほか、海外から来ている留学生と交流するチャンスを増やすなど、様々な方策が考えられる。

2012/06/28