最近の企業動向

外資系・日系主要業種の最近の企業動向は?

欧州高級ブランド堅調  新興国で販売増続く ユーロ安で割安感強まる

欧州の高級ブランドが債務危機の逆風下でも、堅調な業績を維持している。中国や中南米、ロシアなど新興国での販売が軒並み年率2ケタの伸びを示すほか、危機の震源地である欧州市場でも売り上げを伸ばす。新興国の消費者がユーロ安で欧州に旅行しやすくなっているうえ、自国通貨に換算すると割安に商品が買えるためだ。
 「ルイ・ヴィトン」などを展開する仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの1~3月期の売上高は、前年同期比25%増の65億8200万吋(約6250億円)。「ダッチ」などを手がける仏PPRの1~3月期の売上高は、32億5800万ユーロで15%増だった。  
 「カルティエ」などを傘下に置くスイスのリシュモンの2011年4~12年3月期決算は、売上高は前年比29%増の88億6700万ユーロ、最終黒字は43%増の15億4000
万ユーロだった。 
 いずれも欧州企業だが、地域別売上高をみると、アジアが3割前後を占める稼ぎ頭だ。経済発展で国民の購買力が急速に向上し、高級ブランドに関心が向いている。
 店舗拡大も新興国が中心で、リシュモンの店舗は12年3月時点で前年から約90店増え1556店。増えたのは多くがアジア大洋州などだ。
 債務危機下にもかかわらず、欧州市場での販売も増えている。原動力がアジアなどからの観光客だ。ユーロ安で欧州を旅行しやすくなり、ブランド品も買いやすくなるという好循環がある。3社はいずれも2ケタの伸びを確保している。
 中国など新興国の経済にも減途惑は出ているが、成長率は欧州に比べれば依然、高い水準にある。ユーロ安もあり、高級ブランドが新興国に頼る構図は当面続きそうだ。

       高級ブランドの最近の業績
   (単位百万ユーロ、カツコ内は伸び率、%。)
   主なブランド     売上高   営業利益  地域ごとの売上高の伸び
LVMH
ルイ・ヴィトン、ブルガリ、 23,659(16)  5,260(22) フランス(5%)、
ディオール                      仏除く欧州(13%)                             アジア(29%)など
PPR       
グッチ、イヴサンローラン、 12,227(11) 1,602(17) 西欧(14%),アジア大洋州ボッテガ・ヴェネタ (26%).日本など(6%)
リシュモン
カルティエ、         8,867(29) 2,040(51) 欧州(18%)、アジア大
モンブラン、ランセル              洋州(43%)、日本(13%)など

カルティエCEO「観光客、販売減補う」
 仏高級ブランドのカルティエ・インターナショナルのフオルナス最高経営責任者(CEO)は、欧州債務危機の影響について「アジアなどからの観光客が販売減を補っている」と述べた。
 -欧州危機の影響はどうか。
  「欧州市場では影響が大きく、地元の消費者への販売は減っている。ただ、欧州を訪れた中国などの観光客の購入額が大幅に伸びている。その効果で、欧州全体での販売は前年を上回る。ユーロ安で欧州に旅行しやすくなった面もある。欧州の落ち込みを新興国の消費者が補う構図だ」
 -新興国市場への対応は。
 「カルティエは中国やブラジルなど主な新興市場で(主力の宝飾品などの)シェアがすでに首位だ。今後も購買力の伸びに合わせ、店舗網を拡充する必要がある。中国には45店舗あるが、今後の経済成長に合わせ、拡大を検討する」
 -業績は堅調だ。
 「消費者に『欲しい』と思わせるイメージ戦略が重要だ。例えば、高級腕時計には伝統と技術革新の双方が欠かせず、それを前提に適切な広告や販売の戦略をとる。この積み重ねでブランドヘの信頼性を得る。その信頼性が経済状況を問わず、同業他社を上回る業績の伸びを支えている」
 ―-今後の見通しは。
 「我々は宝飾品の王(キング)で、時計づくりの王子(プリンス)であり続ける。すべての分野で一番になるのは難しく、ホテルや食品など他の分野に手を広げるつもりはない。成熟市場の日本や欧州も成長の余地はあり、シェア拡大に力を入れたい」

2012/07/26