最近の企業動向

外資系・日系主要業種の最近の企業動向は?

米ITで競争激化 ネット上での情報管理 ベンチャー台頭 サービス広がる 

米IT(情報技術)業界でデータセンターに情報を預けてインターーネット経由で利用する「オンラインストレージ」を巡る競争が激しくなっている。エバーノート(カリフォルニア州)などの新興企業が相次いでサービスを拡充。関連企業による大型の資金調達も目立っており、投資家の間でも成長分野への期待が高まっている。
 オンラインストレージはパソコンやスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)、タブレット(多機能携帯端末)など特定の機器ではなく、サービス提供企業が運営するデータセンターに文書などをまとめて保管するのが特徴。
10億ドル級の評価
 個人向けサービスが主力のエバーノートは利用者が3800万人と1年間で3倍強になった。12月からは法人向けにサービスを始めて顧客基盤を拡大する。個人向けで培った技術を生かし「当社と同じ規模の中小企業に最も適した情報共有の手段を提供する」 (フィル・リービン最高経営責任者=CEO)という。
 エバーノートと同様に個人向けが主力で5000万入超の利用者を抱えるドロップボックス(カリフォルニア州)は昨年から、法人向けサービスを追加した。個人向けでもこのほど、情報の保存容量を2倍に引き上げる一方、価格は据え置いて、実質的な値下げに踏み切った。
 ボックス(同)は英国に事務所を開設し、欧州での顧客開拓を強化する。同社は7月にベンチヤーキヤピタル(VC)などから1億2500万ドル(約98億円)を調達し、この際の企業価値の評価額が約12億ドルに膨らんだ。企業価値はエバーノートは10億ドル、ドロップボックスも40億ドルに達しており、ベンチャーとして一定規模との評価が得られる「10億ドル級」への到達が相次いでいる。
大手も新規参入
 投資家はスマホやタブレットなどの普及を追い嵐にこの分野への期待を高めているが、課題もある。米マイクロソフト(MS)など大手がオンラインストレージ事業の強化に動いているほか、今春にはインターネット検索最大手のグーグルも新規参入した。グーーグルは電子メールやワープロなど多くのネットサービスを提供しており、オンラインストレージもこれらと連動させて利便性を高める。
 ただ、ドロップボックスは7月、一部利用者のIDやパスワードが流出し、不正アクセスを受けたことを公表した。同社はサービスの利用開始時の手続きを見直すなど対策を進めている。利用者はサービス提供企業が情報を安全に保管することを前提としており、こうした問題が相次げば人気に水を差しかねない。オンラインストレージの一層の普及に向けて、安全性の確保が課題だ。


2012/09/10