最近の企業動向

外資系・日系主要業種の最近の企業動向は?

ネットの動き 音声より画像  「新たな言語」破壊と創造

「お気に入りのキティちゃんと一緒のウチの娘です」 「超かわいい」米国発の画像共有サイト、ピンタレスト。サンリオのキャラクター「ハローキティ」のコーナーに「今週の1枚」としてファンの投稿写真が張られた。約7千人のファンが写真を囲み、キティヘの思いが表現できる。
 手軽さが評判
 今年5月、このサイトに出資を決めたのは楽天。2010年に創業したピンタレストの利用者は2千万人に上る。気に入った写真を画びょうで留める感覚で画像を取り込める手軽さが受け、フェイスブックなどに続く交流サイト(SNS)として急成長中だ。
  「画像SNS」に注目するのは楽天だけではない。米アップルはやはり画像共有サイト、ザ・ファンシーの買収交渉に乗り出し、グーグルは「グーグル十」という名で独自にサービスを始めた。
 総務省によると、2011年度の携帯電話の「音声」通信回数はデータに押されて調査開始から初めて減少に転じた。「若い世代のコミュニケーション手段はもう画像」。米ハーバード大教授のローレンス・レッシグは言い切る。
 新しい「言語」はまだある。インターネットコメディアンのMEGWINこと関根剣(35)は05年から毎日2分間、動画をユーチューブに投稿し続ける。使っているのは広告収入が得られる「ユーチューブパートナーズプログラム」。
 かつては収入がゼロだったが、今は「サラリーマン並み」だ。「数千万、数値円稼ぐ海外の投稿者みたいになりたい」。現在2割の海外ファンを増やすため、英語の「ネタ」も練っている。
 「来てくれてアリガト」。大成功を収めた韓国K-Popの男性アイドルグループ、スーパージュニア。日本のテレビにはあまり登場しないが、巨大なアリーナでのライブはいつも満員だ。そろったキレのあるダンスや歌声をネットの動画で見ると生で体験したくなり、ファンは通う。
 著作権だけでは
「もはや音だけでは足りない。引き込まれる絵や動画も不可欠」。K-
Popに詳しい247ミュージック取締役会長の丸山茂雄(71)はいう。脚がきれいな少女時代、個性的なダンスのPsyも同じ。まずは存在を浸透させるために画像を無料で流す。
 画像を著作権で囲い込む日米欧に対し、韓国は積極的に人目にさらす。「著作権保護が通用するのは世界70億人のうちほんの10億人」と丸山。著作権の枠に閉じこもるだけではネット世代には存在しないも同然になるか海賊版が出回るだけ。「いっそ権利より知名度を選ぶ戦略もある」
 芸術にも新しい流れが出てきた。収蔵作品の画像公開に慎重だった日本の美術館がグーグルで館内公開を始めた。
  「迷いはあった。でも不正利用を恐れるより、日本画の存在を知ってもらうことを選んだ」。日本画家の横山大観のコレクションに定評がある島根県の足立美術館がネッでの公開に踏み切った理由を広報課の武田亘(39)は話す。
 「いい芸術家は模倣する。偉大な芸術家は盗む」とはパブロ・ピカソの言葉。著作権は芸術振興や人材育成に大きな役割を担ってきたが、それを飛び越えもっと新しい世界を創ろうとする人々もネット上には行き交う。 ネットは破壊者か、創造者か。ここでも模索は始まっている。

2012/11/29